トヨタが販売していたミッドシップ・スポーツカー MR-S[1999-2007]
先代モデルとなるトヨタ MR2は2Lのターボエンジンを搭載、ハイパワーなスポーツカーとして存在していました。しかしその次期モデルとなるMR-Sは軽量化を武器に、あえてハイパワーエンジンを搭載しないライトウェイトスポーツとして生まれ変わりました。
スペックよりも走る楽しさ!
日本車にしては少し珍しいコンセプトとも言えますね。
今回はそんな軽量ミッドシップスポーツ、MR-Sについての詳細情報や中古車の選び方・注意点など、ご紹介していきたいと思います!
MR-Sの魅力・特徴
まずはMR-Sがどういった車なのか、その特徴や魅力などをチェックしていくよ
軽量-ライトウエイト・オープンカー
MR-Sの強みは何といってもこれ!!
車重1000kg以下に収まるほどの軽量ボディを持ち、先代から大幅なダイエットに成功しています。
車体が軽いということはスポーツカーに重要な走る・曲がる・止まるの3要素すべてに有利となります。
ローパワーでも加速が良く、コーナリングも気持ちよく、ブレーキも純正のままで強化しなくても十分に止まってくれます。
そしてさらには解放感あふれるオープントップを備えている…
一度乗ってみればその楽しさはきっと感じられると思います!
ミッドシップであること
こちらもMR-Sの大きな強みですね。車体中央にエンジンを搭載するMRレイアウトは前後重量バランスに優れ、加速時のトラクション向上やブレーキングの安定性、コーナリングの回答性の良さに繋がります。
事実MR-Sは曲がりくねった峠道であっても、水すましのように駆け抜けていきます。日本の道路事情にマッチした車ですね!
トランクスペースは犠牲になってしまいがちなMRですが、その分本格的な走りが楽しめます。
スポーツカーとしては理想的なエンジンレイアウトです!
燃費が良い!
MR-Sは燃費が良いんです。
それもそのはず、軽量ボディにトルク重視の高効率エンジン、そして低く抑えた車体で空気抵抗も少ないのですから。
大きな荷物や人をたくさん乗せたりしないのならば、ある意味経済的な実用車ともいえますね!
後期モデルはトランスミッションに6速MTを採用し前期の5速よりギアが一段多いので、後期モデルのほうが燃費は伸びやすいかもしれません。
ATグレードもSMT採用
MR-SのATモデルは意外にも珍しい、トヨタではSMTと呼ばれるシングルクラッチの2ペダルMTを採用しています。
簡単に言いますと、SMTはマニュアルトランスミッション(MT)の構造をそのままにクラッチ操作を自動化したもので、一般的なATであるトルコン式ATとは大きく異なります。
クラッチやギアボックスの操作をせずにMTのダイレクト感を味わえるスポーティなATで、好きな人にはハマるATだと思います。
個人的には一癖あっても2ペダルMTはかなり好きです
ただクラッチがある以上、MTと同様にクラッチ消耗等の問題はあります。詳しくは後にお話しする”中古車選びの注意点”で言及します。
MR-S おすすめのグレードは?
まずはMR-Sのグレードを簡単にご紹介します
・基本となるベースグレード
・Sエディション
アルミホイールやアルミペダルなどスポーティな外観装備が追加
・Vエディション
革シートなどの豪華装備が追加された仕様(後期モデルより採用)
・Bエディション
エアコンレスでさらに軽量化。レース使用前提、男の中の漢が乗るクルマ。
結論から言えばこれがおすすめ!と強く言えるグレードはありませんので、好みで選んでいただいて大丈夫です(ただしBエディションは除く!)
ベースグレードとSエディションの違いもペダルやホイールといったもので、ちょっとしたカスタマイズの差しかありません。
ただし一つ注意したいのは年式の問題。
MR-Sは1999年から2007年まで生産され、2002年にマイナーチェンジ、後期型となりました。前後ライトのデザインが若干変更され、ボディの補強やトランスミッションの多段化(5→6速)など、けっこうな進化を遂げています。
こうした変更は後からカスタムすることが比較的難しいので、お財布に余裕のある方には後期モデルをオススメしたいですね。
MR-S 中古車選びの注意点
それでは実際に中古のMR-Sを探す際に注意すべきポイントを見ていきましょう!
幌の傷み具合・破れなど
MR-Sはソフトトップのオープンカーですので、屋根は幌となります。
オープンカーの幌はビニールのような素材、もしくは布でできたものと2種類存在しますが、MR-Sは前者のビニール製です。
ビニール製は気温が低いと硬くなりがちで、その状態で無理やりトップを開けるとビニールが痛む原因になります。
当然、幌の状態が悪いと雨漏りの原因になります。年式の経過した個体は紫外線等による幌の劣化も十分にありえますので、破れていないか、破れそうな折り目がないかをよく見て確認しましょう。
カスタムパーツに注意
MR-Sはスポーツカーです。中古車であれば前オーナーさんが車をカスタムした状態でそのまま売りに出されていることも珍しくありません。
最初からかっこよく仕上がっているのはある意味ありがたいことです。しかし車検に通りづらい仕様になっていたり、外観ではなく中身によく分からないパーツがついてチューニングされていたりする車は注意が必要です。
他人がカスタムしたところに不具合があると
直すのが思いのほか大変だったりしますね
車検に通すためにパーツを交換したりといったことが発生すると余計な出費に繋がりますので、慎重に検討する必要があります。
前オーナーさんとコンタクトが取れるような場合でしたら、派手にカスタムされた車でも幾分か安心かもしれませんね。
その他 故障しやすい点
MR-Sのウィークポイントをいくつか挙げますと、エキマニの割れやO2センサーの故障など、排気系統の故障が多い印象です。
パワステからの異音も聞いたことがあります。ボンネットを開けて、ジーという変な音がしていたら注意。
私はMR-Sで25万キロまで走行し、上記2つに加えセルモーターの故障(バッテリーが新品でもセルが回らずエンジン始動不可)、燃料ポンプの交換、MTのシフトワイヤー切れなども経験しましたが、通常はそこまでは至らないでしょう。笑
またSMT搭載車にトラブルの報告がされています。クラッチを自動制御するという珍しい構造故に制御系のトラブルなども度々見受けられる印象です。ATの中古車を狙う際はそのあたりをチェックしておく必要アリ、ですね。
いずれにしても中古車を選ぶ際には必ずエンジンをかける、できれば試乗するなどして、冷静に車をチェックするようにしてください。
あまりウキウキしすぎるとよいところしか見えず失敗する確率が上がります‼笑
以上、MR-S購入の際の注意点でした!参考になれば幸いです。
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