BMW Z4(E89)のレビュー。オーナー目線の評価!

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自動車

BMW唯一のオープン専用モデル、Z4。走りにこだわりを持ち、2シーターを許されるユーザーからすれば、Z4は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

-りき-
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私もオープンモデルのスポーツカーを探していた時期に、BMWへの走行性能の期待と直6エンジンに惹かれ所有するに至りました。

ですが実際にオーナーとなってみて、想像とのギャップや注意点といったものが浮き彫りになりました。

今回はクルマのレビューとともに、購入の際に気を付ける点など、お話ししていきたいと思います!

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一. 走行性能

一番気になるのはやはり”走り”でしょう。エンジンやトランスミッション、走る曲がる止まるといった基本性能についてお話していきます。

直線加速性能/エンジンフィール

私が乗っていたZ4はN54といわれる3Lのツインターボエンジンに7速DCTを搭載したモデルとなります。

N54エンジンは,約306PS/400Nmほどの馬力とトルクを発生させています。レブリミットは7000回転。

-葵先生-
-葵先生-

注目したいのはエンジンのトルク特性です。

わずか1300回転という低域から最大トルクの400Nmを絞り出しているため、NAエンジンの300馬力とは低速の力強さが全く別次元です。

-りき-
-りき-

強大なトルクが低回転域から発生させるも300馬力ほどしか出ていない。
つまり高回転に頭打ち感がある特性というのは想像ができますね。
ではN54B30Aツインターボエンジンの出力特性を見てみましょう。

縦軸:出力 横軸:回転数

見ての通り、やはり高回転域ではトルクが落ち込み、それによって赤線で示す出力の伸びも落ちてしまっています。実際に全開加速した印象としても6000rpmを超えるとパワーの伸びがなくなるのを感じます。とはいっても十分速いのですが。

中回転域の伸び感がそのまま7000rpmほどまで維持できれば400馬力ほどの最高出力となるでしょうか。

出力に関しては、もっとポテンシャルはありそうなエンジンですが、回転フィールやサウンドに関してはかなりの上モノ。
直6エンジンならではの素晴らしい回転バランスで、振動もなくきれいに吹け上がっていきます。このエンジンだけでもこの車を買う価値はあるでしょう。

もちろん23iという直6、2.5LのNAエンジンを搭載したモデルも魅力的ではあります。決してパワフルなエンジンとはいえないかもしれませんが、下から上までリニアに盛り上がる気持ちの良いパワー特性とサウンドを味わえるエンジンでしょう。

後期モデルからは23iに代わって20iという直列4気筒ターボを搭載するモデルがあります。

こちらは官能性という点では一歩劣るかと思いますが、数値を見れば優れた燃費性能とパワーを両立した優等生モデルであることは確か。

-葵先生-
-葵先生-

いろんなエンジンを選べるのは嬉しいことですね!

-りき-
-りき-

自分に合ったモデルを見つけましょう!

コーナリング/ブレーキング性

続いて、”曲がる,止まる”の部分ですね。

-りき-
-りき-

スポーツカーを語る上で一番大切な要素です!

コーナリングについて

言いたいことはやまやまですが、公道レベルでは気持ちよく走ることができると感じました。重量バランスは50:50が基本のためか、素性のよい動きをしますので十分に楽しめるでしょう。

しかしタイヤが滑り出すような限界域(サーキットなど)では、アンダーステアが目立ち、先代のE85 Z4に劣る走行性能といわれることもしばしば。

電動ハードトップとなったことからもわかるように、リアルスポーツというよりは、メルセデスのSLKのようなラグジュアリー方向に寄ってしまったのだと思います。

そして私が一番言いたいのはステアリングインフォメーションについてです。

ステアリングから伝わるフロントタイヤの情報がいまいち入ってきません。街中の繊細なステアフィールが悪く、思い通りのラインが描きづらく感じました。コーナリング途中の姿勢そのものは良いのです。ただ、操舵系の操作感覚がいまいちつかめない。

確かこの車はE9X世代3シリーズの油圧機構から電動パワステになった初物の車。まだ未完成感があるのか、ゆっくり走っていてもいまいちコーナリングが決まらないといった印象がありました。

-りき-
-りき-

すごく微妙な表現で申し訳ないのですが、購入検討の方はぜひ自分の感性で確かめていただきたいです。

ステア特性とアシスト量の変化

この車、スポーツモード等のモード切り替えでアシスト量が変わります。電動パワステのアシスト制御の違いによるステアフィールも個人的に気になるポイントです。

E89のもともと持つステア特性として、ステアリングを切れ込んでいった時の機敏な動きとは裏腹に、中立付近ではあいまいなところ(遊び)が少し多い印象です。

ノーマルモードでは全域でステア操作が軽めなのに対して、スポーツプラスモードでは全域で操作が重くなります。

間のスポーツモードでは、スポーツプラスと比較して中立付近で軽めの操作感があるため、コーナーのRに合わせてステアリングを切り込んでいくと途中から重くなっていき、違和感があります。

-りき-
-りき-

可変ギアを持つステアリングシステムではないので、結局は重さの問題だと思うのですが、スポーツとスポーツプラスではコーナリング時の気持ちよさが違う印象ですね。

いずれにしてもこのステアリング機構、エンジンやミッションなどが良いだけに、この一点が非常に残念で、手放してしまった理由でもあります。評論家の間でもこの世代、この車のハンドリングに違和感があるとのレビューがいくつかありましたね。

ただ本当かどうかは自分で確かめるもの気になる方は購入の前にぜひ一度カーシェアなどで借りてみて、自分の五感で確かめたほうが良いと思います。

ブレーキング性能

ブレーキに関してはかなりコントロール性の良い、信頼できるブレーキという印象です。

実際35iや35is(N54ツインターボモデル)にはE92 M3などのBMW Mモデルと同サイズのブレーキが奢られていて、必要十分なストッピングパワーを備えています。

当然止まるだけでなく、コントロール性も重要ですが、初期タッチは意外にもマイルドで、その後踏むほどに効いてくる扱いやすいブレーキでした。

-りき-
-りき-

なおブレーキダストについては欧州車安定の大量生産につきご安心ください。(特にフロント)

-葵先生-
-葵先生-

効いている証拠なのです

7速DCTについて

BMWはZ4にゲトラグ製のツインクラッチトランスミッションを採用しています。

DCTとしてはそこまで新しいものではないのでギクシャク感を心配していましたが、思った以上にスムーズで、街乗りもすいすいこなせました。

変速ショックは皆無で、いったん走り出せばトルコンATよりシームレスでスムーズです。

-りき-
-りき-

変速の途切れも全くないので最初は本当に感動しました!

E89 Z4には残念ながらMTの設定はないですから、どうせならツインクラッチであるDCTミッションを味わってみるのも良いかと思います。

本国仕様にはMT仕様も選べるようですけどね…残念です。

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二. 快適性能

次にコンフォート性能について、焦点を当てていきます。

-葵先生-
-葵先生-

やっぱり静かでゴツゴツしないのがいいなー

-りき-
-りき-

Z4なら、きっと大丈夫です。。

静粛性

まずタイヤのロードノイズですが、はっきり言って決して静かではありません。

まあ仕方のないですね、スポーツカーですから。でも会話できないほど…とか、タイヤが砂利を巻き上げて…とか、そういった心配はありません。

それなりの遮音対策はしているようですが、スポーツカーゆえにタイヤが太いので、ロードノイズ的にはどうしても不利になりますね。

次にエンジン音ですが、こちらは十分静かというかスムーズなので気にならないといった印象です。トルクがあるのでエンジンを回さずに済み結果的に静かな車内を維持できます。

もちろん社外マフラーを入れれば、低回転でも車内に籠り音が目立ってきますが。(経験済み)

高速域での使用も考えられているためか、風切り音も少ないです。高速道路では快適に移動できますね。ドイツ車らしいところです。

-葵先生-
-葵先生-

オープン時の風の巻き込みも少なく快適でした!

乗り心地

乗り心地に関しては、人によって感じ方が違いやすいと思いますが、私からすればスポーツカーとしてみれば全然快適ですが、GTカーとしてみればちょっと硬いかな、といった印象です。

標準ではランフラットタイヤのため、タイヤの硬さや重さを感じ乗り心地もあまりよくありませんでした。

標準17インチのランフラットがホイール含め一本25kg半ばほどの重さがあります。比較して19インチの社外ホイールは鋳造でも一本21kgほどでした。

17インチといえども、ランフラットはパンクしてもそのまま走れる強度を持ったタイヤですから、19インチのラジアルタイヤよりも断然固いですね。

乗り心地を考えるなら絶対ランフラットはNGだと思います。

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三.居住空間/ラゲッジルーム

続いてインテリアの質感、使用感やトランクスペースの使い勝手を見ていきます。

内装について

内装は個人的なお気に入りポイントでした。

デザインピュアホワイト内装の高級感はすごいです

-りき-
-りき-

古さを感じさせない、いいデザインだなあと思います。

BMWの内装は質素で無駄がない印象ですが、同じ年代のE系セダンなどと比べてずいぶんと遊んだデザインという印象。エアコンの操作スイッチに大きなスペースとってるなあ、とか。

元々のデザインがいいだけに、オプションの内装を選択すれば革やアルカンターラなどの素材が使われ、かなり高級な印象になりますね。

オーディオの設定は手元でできますので便利なものです。シートヒーターは寒い時期のオープン走行には重宝します。

外装もそうですが、Z4は非常に美しいデザインに定評があります。デザイナーは女性が担当しているそうで、だからこその美しさ、セクシーさがあるのかもしれませんね。

ラゲッジスペースの使い勝手

E89 Z4は電動のハードトップを採用しているため、オープン時はトランクに屋根が格納されます。

つまりオープン時は屋根が格納される分、収納スペースがなくなることになります。ただ一泊二日分の荷物であれば2人分積むことは可能な容量はあるかと思います。

運転席回りの収納はシートの後ろに荷物置きのスペースがある程度ですが、意外にも重宝します。やはり助手席にしか荷物の置き場所がない車だと、同乗者がいるとき不便ですからね。

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まとめ-Z4 E89のレビュー

いかがでしたか?メルセデスベンツSLKの快適性、そしてポルシェボクスターのスポーツ性能。

Z4はその間に位置する車だと思います。

走りを大切にしつつも普段使いの快適性も残されている、バランス型のオープンカーといったところでしょうか。はまる人にはハマる!そんなクルマだと思います。

中古価格もずいぶんこなれてきていますから、ちょっと贅沢な2シータースポーツカーを検討している方は是非とも一度視野に入れてほしい一台です。

運転フィールさえOKであれば個人的にはかなりお勧めしたい一台、そんなBMW Z4でした!

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